ミッション5 『遊園施設爆破事件』
第二回

 ヘッダーアミューズ。
ヘッダースタジアム内にある、遊園施設の総称である。場合によっては、そのままヘッダースタジアムと呼ばれる事もあるが、遊園施設がある場所は前者で呼ばれる事が多い。多目的に作られただけの事はあり、ヘッダースタジアムにはありとあらゆる施設が集まっているのだ。
『ヘッダーアミューズに爆弾を設置した。アミューズ内の施設を爆破出来る程の威力はある。せいぜい、怯えるが良い』
茶封筒に入っていた手紙の内容を思い出しながら、アドは一人溜め息をつく。ボスから、あの状況で茶封筒を渡されれば、誰だって給料が入っていると思うに違いない。それが、まさか今回の仕事の原因となった物を手渡してくるとは、誰が想像しただろうか。
「にしても、どうして、今回に限ってリスティがいねーんだ?」
 集合場所になっている、ヘッダーアミューズ横にある警察隊の詰め所の中で、アドは独りごちる。普段ならば、逆にリスティが仕事に参加する事をあまり好ましいとは思わないが、今回はいつもとは話が違う。爆弾物の回収と言う事と、現場が遊園施設である事が理由である。
「けっ、それは俺のセリフだと思わねぇかい? リスティがいねぇんじゃ、こんなとこに来ても面白くも何ともねぇぜ」
 アドとは違った理由で愚痴を零すショウは無視して、アドは警察隊長に声を掛ける。
「で、まだ爆弾は発見出来てねーんだろ?」
 アドよりも顔一つ分ぐらいは背の高い警察隊長――ダグラスは、がたいの良い身体を重そうにアドの方に向ける。そして、眉根を潜めて不思議そうな表情を浮かべた。
「キミは? B-Fogのボスか班長から仕事内容を聞かされていないのかね?」
 妙に見下している様な口調が気に食わなかったが、ここは我慢する事にする。生憎、アドの上司であるボスからは何も聞かされていないし、残念な事に班長と言うのは自分に他ならない。
「みたい、ですね。ま、あのボスの事は、今回に限った事ではありませんけど?」
 ダグラスの言葉に、ギュゼフが口を挟んで来る。あのボスの事は、アドよりも先にこのL地区支部にいたショウやギュゼフの方が詳しい。数ヶ月前に転任してきたアドですら、あのボスの事を快く思っていないのだが、ショウやギュゼフにとっても例外ではない。
「まったく、B-Fogって言うのは、そんなにも統率力のない組織なのかね? となると、今回、協力してくれる他地区のB-Fogの事も、当然知らないのだろう?」
 アドに続き、ギュゼフにも見下した口調で話すダグラスは、身長だけで言えばギュゼフの方が高い。その為、視線だけは見上げている格好になる。
「よ、久しぶり〜! 元気にしてたかよ! オレなんて、バリバリ元気だぜ!」
 そんなダグラスの声とほぼ同時ぐらいに、部屋の奥から騒がしい声が響いて来る。どこかで聞き覚えのあるその声は、アドにとっては二度と聞きたくない声だったかもしれない。嫌な予感に、なかった事にしたいと思う気持ちが強かったが、振り向いた先に彼の顔を見てしまったのだから、現実逃避する事は出来なかった。
「おっ、この前のお嬢さんじゃねぇかい。こんなとこでまた会えるとは思わなかったぜ。そのミニスカ、似合ってるぜ?」
 そんなアドとは正反対の反応を見せたのは言うまでもなくショウである。騒がしい声の男には一切目もくれず、その横にいる女性に視線を釘付けにされたらしい。丸眼鏡に、くっきりとした二重瞼が印象的なその女性は、以前にもショウにナンパされた事がある女性だった。
「あなたは、この前の立場をわきまえない人ね。男って、どうしてみんなこうなのかしら……」
 ショウが口説こうとした女性――シャーリーは、肩を落としてうな垂れる。以前の仕事の時にも、同じようにシャーリーを口説いてフラられたショウだったが、今回も良い反応は望めそうにない。それどころか、今回は相手にもしてもえそうにもなかった。近づいてきたショウは無視して黙り込んだシャーリーは、彼とそれ以上会話をするつもりはないようだ。
「そういや、あのサングラスのヤツはいねーのか? 確か……ディリーとか言ったっけか?」
 I地区支部のウインド、シャーリーの二人は確認出来たが、肝心な班長のディリーの姿が見えない為、疑問に思ったアドが誰にともなく質問してみせる。すると、シャーリーの後ろから現れた男がアドの方に歩みを寄せる。見たところ、アドと同じか少し上ぐらいの年齢であり、身長もアドよりも少し高いぐらいで、体格までもがアドと似ている中肉中背の男だった。
「先日より、I地区支部の班長代理を勤める事になった、エドワード・サカシタです。前任の班長が入院をしている為に、今は私が班長代理として、I地区支部を任されています」
 言いながら、エドワードと名乗った中肉中背の男は律儀にお辞儀をしてみせる。次いで、右手を差し出して握手を求めて来た。雰囲気だけでは、前任のディリーよりも遥かに好印象である。ディリーの時は、アドに握手など求めて来る事はなかったのを記憶している。
「あ、あぁ、こちらこそよろしく頼む。L地区支部の班長、アドミニスタァだ。なっげぇから、アドで良いぜ」
 いつもの様に自己紹介をしながら、エドワードの握手に応えるアド。そんなエドワードの手は、体格が一緒のアドと比べて随分大きな物だった。アドとて、それほど小さい手をしている訳でもないのだが、エドワードはそれを上回るようである。
「にしても、まさか、今回も共同戦線とは思いもよらなかったぜ。B-Fogってのは、あんま共同戦線を張らないって、前に聞いた気がしたんだけどな」
 軽くギュゼフの方に視線を向けるアドだが、ギュゼフは取り次ぐつもりはないらしい。表情ひとつ変えずに、涼しい顔でアドの方を一瞥しただけだった。
「貴方、班長になったのね? 確か、以前は班長代理だったと思ったのに、ね?」
 シャーリーがそんな事に反応するが、アドとて好きで班長になったのではない。そもそも、班長代理ですら無理矢理やらされていた様なものだ。今回の班長の件だって、強制的にやらされているに過ぎない。人をまとめたり指示を出したりする班長など、アドの性分には合わない事は百も承知だ。それを、強制的にやらせているL地区のボスは、やはり無能と考えるべきだろう。
「そういや、あの白服のねぇちゃんの姿が見えねぇけど、どうしちまったんだい? まさか、また違う場所で高みの見物って寸法かい?」
 さすがショウと言うべきか。相手が女性であれば、直ぐに反応するようだ。まるで頭にレーダーでもついているかの如く、周囲の情報をキャッチするのかもしれない。
「え、えぇ。アサカ特佐官は……転属になったわ」
 応えたのは、シャーリーだった。アサカと最後に会話をしたのはシャーリーであり、アサカより直接転属の話を聞かされたのもシャーリーだけだ。その為、転属の理由なども詳しく知っているのだが、この場ではその事を口にする事は出来なかった。それに、彼女自身、アサカがまだ転属したと言う事実を受け入れたくないと、心のどこかで思っている事が理由だろう。
「けっ、そうかい。さすが特佐官だねぇ。偉いさんってのは、いつまでもこんな支部にはいねぇって事なんだろうなぁ?」
 そんなショウの言葉は、シャーリーの心を乱す引き金になってしまった。自分の憧れの特佐官の事を、これだけ悪く言われてしまえば、仕方がないのかもしれない。ショウの言葉を耳にした瞬間、シャーリーはショウの方に歩み寄って物申す態度を示して来たのだ。
「悪いけど、アサカ特佐官はそんな人じゃないわ! 貴方みたいな、女性を表面的にしか見られない男なんて最低よ。貴方にアサカ特佐官の何が分かるって言うのよ!」
 今にも、銃口をショウに向けんばかりの勢いで、シャーリーが喰らいつく。さすがのショウも、相手がここまで食い付いて来るとは思っていなかったので、思わず喧嘩腰で睨み付けてしまう。
「けっ、言ってくれるじぇねぇかい。可愛い顔しておきながら、分かったような事言ってんじゃねぇよ!」
 ショウが、女性に対して怒鳴りつけるような口調でぶつけるのを始めて目にしたアドは、驚かざるを得なかった。基本的に、女性には全て優しいと思っていただけに、このショウの反応は予想外としか言いようがない。
「だから、貴方のそう言う見た目だけで判断するところが気に食わないのよ! だいたいね――」
「はいはいはいはい。二人ともそこまでにしておいて下さい。今は、仲間内で争ってる時ではありませんよ?」
 完全に頭に血が登ったシャーリーが、ショウに銃口を向けようとしたその瞬間に、横から割ってきたギュゼフが止めに掛かる。ショウとは昔からの友人関係のギュゼフならば、こんな時のショウの対処法を心得ているのかもしれない。ギリギリまで止めに入らなかったのは、タイミングを見ていたと考えるべきだろうか。
「貴方までも邪魔するの? もう、みんな悪いのよ!」
 ギュゼフに捕まれた腕を振り払おうと、必死に抵抗するシャーリーだったが、ギュゼフの力が思った以上に強かった為、振り払えずにそのままその場に転倒し、尻餅をついてしまう。シャーリーが手にしていた拳銃は、しっかりとギュゼフに奪われてしまった事は言うまでもない。
「まったく、女性のヒステリックは良くありませんよ? それにカッツ。キミも口が過ぎますよ。場を弁えて下さい」
 冷静に叱咤するギュゼフは、妙に落ち着いて見えた。本来、この叱咤は班長であるアドがやらなければいけない事だろうが、それをギュゼフが代行してくれたのだ。だが、恐らくアドが止めに入っていたとしても、逆に喧嘩腰になってしまい、場を悪化させていた可能性は高い。
「さてさて。私達は、ここに何しに来たんですか? フェイズ、このおバカさん達に説明してあげて下さい」
 ギュゼフは、先程からずっと無言でやりとりを見ていたウエストに視線を向けると、肩を落とすと同時に溜め息をついたのだった。

 ウエストの話によると、今回の作戦の内容は以下の通りだった。
昨日、このヘッダーアミューズ宛に届いた手紙によると、この遊園施設のどこかに爆弾を仕掛けたと言う事らしい。文面を信用するならば、この施設を爆破させるだけの威力はあると言う事だ。
昨日、アドのアパートでも同じような手紙を発見した事や、ショウ達がパソコンで見ていた騒ぎからすれば、本当に爆弾を設置した可能性が高い。大きさは不明だが、最悪の事を考えれば回収する必要がある。そこで登場したのがB-Fogと言う事だった。本来、こんな仕事は地区の警察隊の管轄になるのだが、実はシャーリー達が所属するI地区でも先週から同じような事件が多発しており、彼女達は警察隊と協力して事件を解決しているのだと言う。今回、シャーリー達がこの現場に訪れたのも、その事から来ていると言う事だ。
「んで、これがその噂の最新型の爆弾探知機っつー訳か?」
 机の上に置かれている3つの装置のうち、一番近くにある物を手にしたアドは、気のない声で呟く。そんな爆弾探知機があるのならば、自分達がいる必要はないのでは、と思うのは正直なところだ。だが、その探知機の持ち主がフェイズィ・ラボだと聞かされてしまっては、文句を口にする訳にはいかない。何しろ、フェイズィ・ラボの息子である、ウエスト・フェイズィがその場にいるのだから。
「えぇ、これは父が開発した最新型で、半径50m以内にある爆発物に対して、自動的に反応する探知機です。ちょっと目立つのが欠点ですけど、性能としては申し分ないと思います」
 ウエストがそう言う通り、性能としては言う事はない。爆発物の近くを通っただけでそれを報せてくれるのだから、これ以上楽な事はない。しかし、ウエスト自身も欠点と言っている通り、少しばかり目立つのはあまり褒められた事ではない。
「確か、爆弾の事は一般客には知らされていないんでしょ? こんなに目立つ物だと、怪しまれること受け合いだよ?」
 そう言うギュゼフも、アドと同じように机の上に置かれている装置を手にとってみる。重さは、一般的な拳銃よりも少し重い感じがあったが、これぐらいならば許容範囲だろう。大きさも両手で持てば持てる大きさなので、こちらも何とか許容範囲だ。一番問題なのが、その形にあった。
「これってさ、あれだよな、あれ。見ただけでもドッカーンって感じがするよな」
 極めつけは、ウインドのその一言である。見たありのままの姿を表現するならば、ウインドの意見はこの場にいるほとんどの者が思っていた事と一致する。即ち、時限爆弾の形をしているのだ。爆発物を見つけるための装置が、その爆発物と同じ形をしているなんて、誰が想像しただろうか。
「けっ、別に良いんじゃねぇのかい? ようは、爆弾見つける為に必要なもんなんだから、見た目にこだわっていられねぇってな」
 つい少し前までは、見た目にこだわっていた者の意見とは思えない言葉が、ショウの口から漏れる。
「そう言うと思って、専用のカバーを用意しました。ほら、これなら怪しまれないでしょう?」
 ショウの言葉を聞いていたのか、それとも無視をしたのか、ウエストが足元に置いてあったケースから何かを取り出す。それは、この装置専用のカバーのようで、装置をスッポリと包める大きさがある。そして、その形は――。
「始めからこれを出してくれた方が良かったんじゃないかしら? それとも狙っていたのかしら?」
 シャーリーがズレた眼鏡を直しながら、呆れた表情で呟く。すでに、L地区支部の人間には口論するのは無駄だと悟ったのだろうか。先程のように、喧嘩腰の態度とは違って冷めた反応である。
「GPSナビ型のカバーですか。これならば怪しまれる事なく、捜索活動を出来そうです。さすがは、ラボで開発しただけの事はありますね」
 エドワードは、一人関心しているようだった。正直な所、GPSナビにしては少し大きすぎるような気がしたアドだったが、そこは突っ込まないでおく。
「そうと決まれば話は早いぜ。とっとと爆弾見つけて、本部に戻って給料もらわねーとな」
 アドのその一言で、その場にいた全員の意思が固まったようだった。この3つの爆弾探知機を使って、この遊園施設のどこかにある爆弾を見つけるのが、今回の彼等の仕事である。
「ようやくその気になったのかね? ならば、気が変わらぬうちに作戦内容の説明をさせてもらおうか」
 言いながら一同を仕切るのは、警察隊の現場隊長のダグラス。アド達とI地区の会話には一切口を挟まなかったのは、自分の出番はまだだと自覚していたのだろうか。それとも、彼等の会話に割って入る余裕がなかったのだろうか。どちらにしても、今回の作戦の指揮を取るのはこのダグラスである。彼の説明により、ようやく作戦が開始される事になる。
「装置は全部で3つある。そこで、3つの班に分けたい。編成はこちらで決めさせてもらうが、異論はないかね?」
 異論を唱えた者がいたとしても、恐らく話を聞くつもりはないのだろう。問い掛けておきながら、口を開かせる暇を与えずに次の言葉を口にするダグラス。
「各班の隊長はL地区支部のアドミニスタァ、ショウ、I地区支部のエドワードの3名にまめてもらう。それと、各班に爆弾に詳しい者を警察隊より派遣する。爆弾を発見した時の対応は警察隊に任せてもらいたい。それでは、班を発表する。まずは捜索班1にアドミニスタァ、オルガン、警察隊からイリーナを派遣。捜索班2にショウ、ウインド、警察隊からクィンを派遣。最後だが、キミ達には捜索と同時に遊園施設内の不審人物の捜索も行ってもらう。エドワード、ギュゼフ、シャーリーの3名だ」
 警察隊を取り纏めているだけの事はあって、ダグラスの指示は的確だった。恐らく、この遊園施設の平和は、彼の指揮の下護られているのだろう。今の彼の指示内容だけでその様子が窺えた。
「私とウエストはこの詰め所で待機だ。捜索本部としておくので、何かあった時には必ず連絡をする事。なお、定時連絡も忘れぬよう。それでは各名、作戦行動に移りたまえ」
 ダグラスの力強い指示と共に、各班に分かれたB-Fog及び警察隊の面々は、このヘッダーアミューズ内に設置されている爆弾の捜索を開始したのだった――。

「んで、何でオレたちは、もう戻って来てんだ?」
 妙に不機嫌そうな表情で愚痴をもらしたのは、迷彩色のシャツを腕まくりした男――アドである。彼等は、警察隊の現場隊長であるダグラスの命により、3つの班に分かれて遊園施設に設置されている爆弾の捜索に向かった。それがほんの20分前の出来事である。
 今、アド達がいる場所には、3つに分かれた仲間達とダグラス、ウエスト達が集結していた。即ち、今アドがいる場所は今回の仕事の本部にもなっている、遊園施設脇にある警察隊の詰め所である。
「それはきっと、オレがバビュっと爆弾を発見したからじゃね?」
 誰にともなく愚痴ったアドの言葉に、あたかも自分に質問されたかのようにウインドが応えてみせる。だが、アドが求めている応えはそんな事ではない。こんなに一瞬で爆弾を発見出来るのならば、自分達B−Fogが駆けつける必要はないのではないか。さらに言うのならば、今回は2つの地区での共同戦線である。
「けっ、爆弾見つけたのは、俺だって事忘れてんじゃねぇかい?」
 ウインドとは同じチームだったショウがそっぽを向きながら呟いてみせるが、ウインドの耳には届いていないらしい。いや、むしろ届いているのだろうが、ウインドにはそれが自分に向けられているものだとは認識していないだけなのかもしれない。
「まぁまぁ、カッツの言い分も分かりますけど、これを見ればその考えも一転しますよ」
 なだめるつもりはないクセに、ギュゼフがそんな言葉を掛ける。そして、その手に持った物をダグラスに手渡した。無言でそれを受け取ったダグラスは、不思議そうな表情を浮かべるが、しばらくした後に、それが驚きの表情に変わる。
「何と言う事だ。これは予告状ではないかね! 爆弾は合計5つ設置して、その全てが時限装置付きだと!」
 妙に説明的なダグラスの言葉にアドとショウは呆れた表情を浮かべてみせる。しかし、そんなダグラスの言葉に真剣な表情で応えた人物が一人いた。それは、I地区支部の班長代理であるエドワード・サカシタである。
「これは、一大事です。この敷地内に、残り4つも爆弾が設置されていると言う事なのですよ? 一刻も早く爆弾を発見して、取り除く作業に移りましょう。この高性能な装置のお陰で、それほど難を要する事はないはずです」
 丁寧な口調は元々なのだろうか。それとも、まだ新任と言う事もあって控えめにしているだけなのだろうか。彼の雰囲気から感じ取る限りでは前者である可能性が高い。そんな彼の言葉は、口調と雰囲気からも読み取れるように、信頼感に満ちていた。
「そうと決まれば、善は急げね。早速、さっきのチームに分かれて捜索活動を再開させましょう?」
 新任の班長代理に好感触を持ったシャーリーは、益々仕事への意欲が増していた。まだ掴めないところも存在するが、彼にならばこのI地区支部をまとめる事が出来るのではないかと思える。ディリー班長が戻って来るまでの間、彼を支えるのは自分の役目だと心に決めたのだった――。

      

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